TOEICスコア800以上の高得点を目指すにはpart2は全問制覇、落としても1、2問と心得るべきです。
一方、そんなTOEIC part2の後半では、ストレートな回答を省略する選択肢が正解となる問題が、難問として出題されます。
例えば、普通であれば”Yes”か”No”で答えるような質問でも、敢えてそうは答えずにひねった回答を選択する必要があるのが難しいところです。
こうした問題は会話の流れをキチンと把握することが重要であり、この流れとはいくつかのパターンに分けることが出来ます。
そこで、こうしたパターンを例題と一緒に紹介してみました。
今回は、前編ということで、「誰かが知ってる系」「いきなり理由系」「質問で返す系」という、3つのパターンを紹介します。
後半では、これら以外の3つのパターンを紹介していますが、同じくらいにとても重要ですので、併せて読んでみましょう。
パターン1~誰かが知ってる系~
例えば、質問者が聞きたいことに対して、その情報を知っている(若しくは知っていそうな)誰かに聞くように促す回答が、選択肢に用意されていることがあります。
「あれってどこにあるの?」「俺は知らないから、あの人に聞いてよ」みたいな流れですね。
例題と選択肢は、こんな感じで出題されます。
Q1: Where is the extra table for next meeting?
A: The meeting will start at 6 o’clock.
B: May be you should ask Peter.
C: No, but I have some appointment.
この場合の回答は、Bです。
「次のミーティングのための追加テーブルはとこにありますか?」という質問に対して、”In the storage room.”等の具体的な場所を示す回答が示されることが無いパターンです。
代わりに、今回の例題のように、自分以外の誰かに聞いてもらうように回答する「ピーターに聞くべきかもしれません」という選択肢が正解です。
なお、冒頭の聞き取りに自信がなかったからと言って、選択肢Aを選ぶのは避けたいところです。
“Where”と”When”の聞き違いに要注意ですので、キチンと冒頭の疑問詞は聞き逃さないようにしてください。
次はこんな感じの例題を用意しました。
Q2: Should we begin the project before or after the conference?
A: The conference will be started at 9 AM.
B: This contract will be closed soon.
C: Talk to the manager.
この場合は、Cが正解です。
「プロジェクトの開始は、会議の前にすべきか?後にすべきか?」という問いかけに対し、具体的な氏名では無く、「部長に話してみて。」という役職で回答されることもあります。
固有名詞や”him”や”her”のような代名詞以外にも、人を表す表現を押さえておきましょう。
なお、TOEICが好きな役職等を表す単語は”supervisor”、”manager”、”director”、”board of director”等が挙げられます。
この「流れ1~誰かが知ってる系~」以外にも、後編にて”No”を直接的に言わない「遠回しに知らない系」という流れを解説してみました。
パターン2~いきなり理由系~
問いかけの内容から「本来だとこんな回答であろう」という想定し、想定される回答を裏付ける状況や理由を述べた選択肢が用意されることがあります。
問いかけと選択肢との間に本来であれば存在する回答を想像する、まさに「行間を読む」ことがポイントです。
少しややこしいですが、実際に例題を見てもらえると理解してもらえるかと思います。
Q1: Isn’t it a little dark in that room?
A: Yes, the room is available.
B: The air conditioner isn’t available right now.
C: The training video is played on the screen.
この場合の正解は、Cです。
「部屋の中は少し暗くありませんか?」という質問に対し、”Yes it is.”などのストレートな回答が省略され、いきなり「研修ビデオがスクリーンで再生されています。」という状況説明に飛んでいます。
また、せめて選択肢Cの文頭に”Because,~”など、理由を示す単語が欲しい気持ちもありますが、省略されることも多々あります。
“Isn’t it~”という出だしから、選択肢Aに飛びつかないように注意したいものです。
続いては、こちらはどうでしょう?
Q2: The elevator is being repaired tomorrow, isn’t it?
A: The technician came this morning.
B: Yes, the elevator is coming.
C: The building is closed now.
この場合の正解は、Aです。
「エレベーターは明日修理されますよね?」という質問に対し、”No, it isn’t.”や”It is already repaired.”という回答が省略されています。
代わりに、「技術者が今朝来たよ。」と、省略された回答を裏付ける理由や状況の説明のみが選択肢にあります。
これも、せめて選択肢Aの文頭に”Actually,~”「実は~」という会話の流れを補てんするようなフレーズが欲しいものですが、例題のように省略されることも多々あります。
この「流れ2~誰かが知ってる系~」以外にも、本来あるべき解答が省略される「第三の選択系」という流れがあり、後編で紹介中です。
パターン3~質問で返す系~
設問の問いかけに対し、さらに質問で被せてくる選択肢が用意されていることがあります。
問いかけ内容に対して、不確実なことを確認するような会話の流れが多いです。
例題だとこんな感じです。
Q1: We should offer vegetarian food option.
A: How much would that cost?
B: Yes, you can use a meeting room.
C: The restaurant is opened from 9:00 AM.
この場合の回答は、Aです。
今回の例題の場合、省略されている回答というのはありませんが、代わりに問いかけに対して確認事項を提議しています。
こうして、ベジタリアン料理のオプションについて、価格を聞いているAが正解となります。
恐らく金庫番的な役割の人が、提案者に対してコストを確認したいのでしょう、という話者同士のやり取りを想像するだけでも会話の流れをつかみやすくなります。
ここで、今一つ例題。
Q2: Where can I find Mr. Smith at the airport?
A: Do you have his phone number?
B: You should be there until 10 AM.
C: No, he isn’t available now.
この場合の正解は、Aです。
「空港では、スミスさんをどこで見つけることが出来ますか?」という問いかけに対し、具体的な場所を回答しないことが特徴でしょう。
代わりに、スミスさんを見つけるために通話という手段を提案するため、彼の電話番号を確認しているAが正しい選択肢になります。
くどいようですが、ここでも”Where”と”When”をキチンと聞き分けることが出来ず、Bを選択することがないようにしましょう。
また、この流れに似ている、質問や問いかけに対する「コメント系」というパターンは後編にて紹介してみました。
まとめ
実際に活字化されているとそんなに難しいように感じませんが、リスニングの場合だと耳だけを頼りに一発で聞き取ることが必要です。
発音についても、アメリカ英語発音やイギリス英語、カナダ英語などレパートリーが広く出題されます。
こうした一発勝負だからこそ、事前に質疑応答のパターンを知っておくことが全問制覇、引いてはスコア800の条件になります。
part2後半の難問と呼ばれる問題は、冒頭でも触れた通り、会話の流れを把握することが重要です。
このパターン分けによって、皆さんがpart2の会話の流れを掴めることに少しでも役立つことを祈願して記事を〆たいと思います。
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